キャンセル相次ぐパシフィコ横浜ホームページ制作横浜

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震災がコンベンション開催にも影

2011年4月1日横浜ニュース
　　
　東日本大震災がコンベンションの開催にも影を落としている。福島第１原発の事故を懸念する動きもあり、国内有数のコンベンション施設パシフィコ横浜（横浜市西区）では国際会議などのキャンセルが相次ぎ、１万人規模の医学会も中止になった。３月だけでも損失額は２億円近いという。担当者は「夏ごろには回復したい」と話すが、電力不足や原発への不安が払拭（ふっしょく）されることが大前提だ。

◆４月は３割
　パシフィコ横浜によると震災以降、４月中旬までのほとんどの予定がキャンセルされた。予定通り開かれるのは３割ほど。「５月には６割程度に戻し、夏には１００％近くまで持っていきたいが…」と担当者は気をもむ。

　しかし９月までに予定されていた学会や国際会議、展示会などのうち、既に70件以上が中止になった。会場使用料だけで計３億２千万円以上の損失という。今後、損失額が拡大するのは必至だ。

　医学関係の学会のキャンセルが目立つ。本来なら現在がシーズンだが、１万５千人が参加予定だった日本循環器学会総会をはじめ、生理学や薬理学、解剖学など数千から１万人規模の専門家らが集う会議が相次いで中止となった。「今は被災地などでの医療に従事すべきとの判断もあったようだ」という。

◆回り回って…
　パシフィコを擁する横浜市は、国際会議参加者総数で３年連続（２００７～09年）全国１位。コンベンション都市としての地位を揺るがしかねない事態だが、影響を受けているのは横浜だけではない。

　日本政府観光局（ＪＮＴＯ）によると「放射性物質の飛散を懸念し、会場を首都圏から関西や九州に移したケースもあるようだ」。海外の主催者の場合、「日本全体が危険」という誤った印象を抱き、他国開催に変更する動きもあるという。

　パシフィコ横浜の担当者も風評被害と事態の長期化を心配する。コンベンションは宿泊施設や飲食店、観光施設など周辺への影響が大きいだけに「開催によって経済が活性化することが、回り回って被災地の復興支援につながる。地道に実績を重ねるほかない」と話している。

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